2017.01.13
大間の漁師のお正月「おふなださま」に潜入!福をもらったぁ!
新年から訛ってます。島ヤッコでごんす。
新年早々、築地の初セリで、第五十六新栄丸のマグロに
7420万円の値が付き、ほーほーしておる大間です。
漁師だぢのお正月ってのは、築地の初セリも終わったあと、
1月11日だって、おべでらが?
正式には船玉(舟魂)祭、みんなは「おふなださま」と言います。
この写真は、2006年1月11日のおふなださまの時。
できたてホヤホヤのマグロのぼりをご披露させてもらって
漁師から唸るようなウォーがあがっているの図でございー。
稲荷神社に漁師だぢがごっそり集まって、
大漁祈願・海上安全の祈祷をした後、各家で、親せきやら知人に
めくるめくごっつぉー(ご馳走)を振る舞うってのが、習わしです。
◆ひとくちメモ◆
「大間町史」によれば、『昔、親方が乗子を招いて一年の契約を結び慰労した
名残の行事。』となっておるけれども、わいの同級生のトヨカンズは「サガナの
供養祭」だと表現しとりました。
命をもらっているサガナたちに感謝を込めながら、ごっつぉーをみんなでいただくのだと。
福を人に振る舞えば振る舞うほど、その福は自分に返ってくるのだと教えてくれました。
さて、こどし潜入したのは、マグロ一本釣りの敏腕漁師としておなじみの熊谷ヨシさんち。
ヨシさんは、もう何回もテレビさ出でるけども、おふなださまのヨシさんちは、
地上波初、いやネット初公開だべさ。
まんず、神棚見へるどー!
掛け軸の右側が船玉神。捧げものの魚(ソイだと思うけども)は、
神様が食べやすいように置いている。「にらみ魚だ」とヨシさんは言うていた。
左側手前のラップがかかっておるのは、今シーズン、ヨシさんが獲ったマグロのヒレの山。
その手前に、こそらっと「海のおどごの勝負パンツ」を捧げておきました。
そして、いよいよ、ごっつぉぉぉーーー!!!
どでかい船盛りがあるのは、基本中の基本だとして
「なに、飲む?」って、出できたのが竹筒なのには、びっくらこいだ!
マイナス60度のストッカーで冷やした竹筒に、神棚さあがってた「獺祭」をどくどく。
「わいほのストッカー開げれば、タゲ、ごろごろ入ってるしてー」とヨシさん。
たまらんたまらんたまらんちん大先生ー!
◆ひとくちメモ◆
大間のほとんどの漁師の家には、マイナス60度のストッカーがある。
マイナス90度ってのもあるらしい。ヨシさんちには4台もあって、
家族で一人1ストッカー体制となっている。おかげで、365日、
サガナを食っとると言うてました。
ここからひとしきり、獺祭なのか田酒なのかトークが炸裂。
「マグロの肝じゅうじゅう焼いで、タゲで田酒の山廃飲めば、
青森県さ生まいでいがった~って思うじゃー」というのが、ヨシさんの結論。
一流のマグロ漁師だからこそ味わえる極上のマリアージュを聞いて、
一同はうっとり遠くを見つめる♡
鮟鱇のトモ合えが出できたら、ビール飲んでたみっちゃんねーさんも
「や~、これだばタゲ飲まねばねーべさ」と、飲み始め、
年明げでから揚がったという、いよいよマグロの刺身に行った!
→
これが、マグロ前→マグロ後の決定的な写真だ。
みっちゃん(むがしは)ねーさんは、床屋さんなんだが、岸壁でタナゴ釣りして、
漁師におすそ分けしてるという。恐るべし!床屋の(むがしは)ねーさん!
相米慎二監督の「魚影の群れ」が撮影された時には、夏目雅子さんに
大間弁べらめがしを指導した人。
次から次へと、脂っ濃い人だぢがあづばってきた。
あっちこっちの家を回る人もいるので、刻々とメンバーは変わるけども、
夜9時を過ぎると、沈没した人がヨシさんちにあづばってくる傾向があるらしいです。
「シメにわいほさ来るして。わいほは一休のラーメンど同じ」。
こうして、おふなださまの夜は更けていくのです。
朝起きると、完全に沈没した人が、ここに寝ってたりするのだそうです。
ヨシさーん!福をありがとー!!!