2017.07.23

チェジュ島という冒険:こりゃもう乗馬なんてもんじゃないべさ編

まんず、ひとくちメモ。
(ちゃんとしたことも書いとかないと、チェジュの観光局のふとに、
わいどを招聘してくれたハンラ日報のキムさんが、しかられるのだ。)

チェジュって島は、島自体が火山の爆発でできたのだよ。

ほいで、火山の溶岩でできた、小さい山のようなでかい丘のような
盛りあがりを「オルム(寄生火山)」というのだけども、
あっちこっちにぽこぽこあって、やだらにぽこぽこしとるなーと思っていたら、
島全体にはななんと、約370個もあるらしい。
そのオルムの中でも最高のオルムで、流れ出た溶岩が長ーーーくいろんな溶岩洞窟を作っているのが
世界自然遺産になっている、「コムンオルム」なのであーる。

このコムンオルムでのトレッキング。10キロも歩くと聞いていて、ヘタレ飲んべのわいは
超~びびっておった。
ところが、それは全くのガセで(新聞社がガセ流していいんだべが)、
初心者向け頂上まで行って帰る2キロコースだったため、
草花を愛でながら、なんとかかんとか登り下り。

ツアー最大の難所は超えだべさーほーほっほっ!と油断しきってました。

コムンオルムトレッキング

さ、時間が押してるので、溶岩洞窟のマンジャングル(万丈窟)は後に回して、
「乗馬」だと。

わいの勝手なイメージは、柵で囲われた牧場みたいなところで、
わいはなんとかかんとか馬にまたがり、インストラクターみたいな人が
引っ張って、パッカパッカ的な?

防弾チョッキみたいのを着せられヘルメット風の帽子をかぶり長いブーツを履いて、
きゃーー!ベルサイユの薔薇ーー!って、軽くコスプレ騒ぎしてた女子4人。
カーボーイが銀行強盗でもやるべが的にバンダナで口を隠した男が出てきたところから、
ちょっと寒い空気が流れてきた。

セメントでできた階段状の台がありましてな。
そこにあがって、台の横に連れてこられた馬にまたがるよう指示されました。
ビビリながらまたがると、強盗カーボーイがわいのブーツをベルトで鞍にくくりつけている。
何回もベルトの締り具合をやり直してるのが、すでになんだか、おっかねんだよー。
血管注射する時に、血管がうまく探せないで看護婦に腕をあちこち触られてる時のような感じよ。
わがるべが。

馬に乗る

ようやくブーツが鞍におさまると、強盗が(強盗がよ!)手綱の片方を引っぱりながら
大声で言った。

「みーぎっ!」

もう片方を引っぱりながら、叫んだ。

「ひーだーりっ!」

わいが固まっていると、もう1度、片方ずつ手綱を引っぱりながら、叫んだ。

「みーぎっ!」

「ひーだーりっ!」

と、次の瞬間、強盗は台のところから馬を移動させた。

馬乗りだじゃー!

その次の瞬間、強盗はいなくなり、馬が勝手にポックポックと4ビートで歩き出した。

え!マジで!と思った次の瞬間。

後ろから「ハイっ!」「ハイっ!」と声がしたかと思ったら、
馬がパッカパッカと8ビートで走り出した!
馬の上で、わいの体が上下に跳ねる!
わいの体感的には、16ビート。わいの心臓もバクバク16ビート。

これって、乗馬なんてもんでねーべさ!馬乗りだべさ!

馬乗りだぢゃーー!!!

幅2メートルくらいしかない農道のような道を、
青森女子4名を乗せた馬4頭が、混戦しながら8ビートで走り出した。
4頭に、なぜか子馬2頭も引っ付いてきた。
道幅が狭いのに、他の馬が横に入り込んだり連なったりで、ダンゴ状態になる。

わいの馬が、まっすぐ走らず、なぜか右に右に反れてきた。

わ!ヤバイ!ヤバイ!

ヤーバーイー!

これじゃあ草むらさ、突っ込んでまるべな!

わいはとっさに、左手でちょこっと手綱を引いていた。
そしたら馬っこの首が、左にちょこっと戻って、まっすぐパッカパッカした。

強盗、改め先生が叫んでいた「みーぎっ!」「ひーだーりっ!」は、
こういうことだったんかー。なんだようー(涙)

しばらくすると、馬っこだぢが4ビートでポックポック歩き出した。
暑いし、わいは重てーし、そりゃ馬っこも疲れるべなー。
馬っこも、だらだら汗をかいている。

ようやくこっちの心臓も4ビートになって、回りの畑を見たりしてたら、
後ろの方から、声がした。

「ハイっ!」「ハイっ!」

次の瞬間、馬っこだぢは急に、パッカパッカパッカパッカ走り出した。

ひえーーー!!!

農道から反れて草むらに入ったり、水たまりをくぐり抜けたり、
これって障害レースだべさと、わいは心の中で叫んでいた。

まもなく、草原の中に小高い丘があり、え!まさか!と思った次の瞬間、

「ハイっ!」「ハイっ!」

がかかって、馬っこだぢは、ワッシワッシと傾斜をのぼり出し、
丘の頂上で止まった。

そっかそっか。ある意味ここが、見せ場なんだな。
あとは帰るだけかと、わいはちょこっとほっとした。

馬っこだぢは、ゆっくりと丘をくだって、農道に戻りつつあったが、
事件はここで起こった。
記者・長尾になんらかのアクシデントがあり、長尾と先生が丘の上で止まっている。

われわれ3人の馬っこと、どうしても付いてくる子馬2頭は、
ずんずか歩き出して止まらない。

さてみなさん!重大なことにお気づきだろうか。
われわれは、「みーぎっ!」「ひーだーりっ!」は習ったけども、

「とまれーい!」は教えてもらってなーい(涙)

長尾と先生を丘の上に残して、なぜかわいの馬っこが先導するままに、
3頭+ちゃっぺ2頭が農道をポクポク進んでいった。
道が分岐してる箇所があっても、わいの馬っこが勝手に選んで進んでいく。

「わいどって、完全、彷徨ってるよの~」

「この馬だぢ、道わがってるんだべが」

「先生、まんだ来ねーよ~」

もはや、時間感覚もなくなってきた頃、ずーーっと後ろに長尾と先生の姿が見えた。

わいの馬っこ、ちゃんと道、おべでらったんだー♡

無事合流して、ほっとした次の瞬間、また、かかった。

「ハイっ!」「ハイっ!」

「ハイっ!」

「ハイっ!」

ひえーーー!!!

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馬乗りの様子の写真は、ない。
取材するはずの記者二人とも、容赦なく馬乗り体験させられていたからだ。

結果、1時間半も馬乗りしてて、
青森女子4人とも、ヨレヨレしながらアワビのおかゆをすすった。
山内記者の鼻とほっぺが、馬乗り焼けで、すっかり赤くなっておる。

アワンビのおかゆを食う山内記者

この過酷な冒険のあと、青森女子はチェジュにいる間、
時間さえあればあんだこんだと馬乗りの時を思い出して、
同じネタで、何度でも何度でも笑っちまう。

帰ってきてからも、わいは絶体絶命のピンチだったと、いろんな人に教えるんだけども
「楽しそーー♡」とか、「馬乗りてー!」とか、しゃんべられる。

もう馬乗りから3週間もたってるのに、今、書きながらも、わいの顔は笑ってる。

チェジュの馬乗り、恐るべし!

馬のしおり